カラーセラピー

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カラーセラピーは昔はクオモセラピー(Chromotherapy)ともいわれ、色により身体を治すものです。肉体よりも感情やスピリチュアルなレベルに効果があるとされ、古くはギリシアの寺院やアトランティスでも盛んに行われた?といいます。

20世紀になっても盛んに研究されており、例えば、左の写真はアメリカのスペクトロクローム(spectrochrome)という機器です。自称医学博士、法学博士かつ大佐だと名乗っていたデインシャ・P・ガディアリが人間は赤、青、緑、黄色をバランスよく取らねばならないということで1920年に発表しました。
中身は100ワット電球だけですが、いろんな色をフィルターをとおして左のレンズから照射できるようになっていました。あらゆる病気が治ると主張していましたが、FDAにより使用禁止になってしまいました。それでも信者は多く、spectrochromeでWebを検索するとさまざまな情報を得ることができます。

電球が発明される前から、バビット(Babbitt)博士は赤・青・黄の3色の色彩光線を9歳になる自分の息子に試しました。
息子さんはリウマチのような症状でしたが、博士は太陽光線に青色のフィルターを用いて青色光線を脊椎と臀部に照射しました。
「光線療法を始めて3週間、息子の病気の症状は全て消え、再発する事なく3年が過ぎています。」と博士は報告しています。

他にもカラーセラピーについては、本当にあちこちで成功例があり、ネタ探しには困りません。

色のなにが治療をするのか?

色への意味付けは注意が必要です。
大きくわけて、人体に直接的に作用すると主張する解説と、心理的な作用を主張する解説があります。

人体に直接作用する、という考え方は理解しやすいといえばしやすいです。
光はとても波長が短い電磁波です。それゆえ、ツボをさまざまな周波数の電磁波で刺激する、ということは理解できます。

ちなみに、色を利用した療法では色名を使わず、波長で語りたがりますので、目安となる一覧表を記しておきます。参考にしてください。(nmはナノメートルで、10のマイナス12乗の単位です。)

波長(nm)
赤外線 950
660-700
600-610
590-620
550-570
460-500
450
400-440
紫外線  より上

波長に幅がある点にご注意ください。同じ、藍色といっても微妙に違う色であることが普通です。
だからこそ、いろいろな色の名前(もえぎ色、若竹色)があるわけですしね。
後ほど詳しく述べますが、物理現象の光にもいくつか注意点があります。

色の心理的な作用を主張するのであれば、次のことを知っておいてください。

カラーコーディネータといったプロも勘違いしていますが、カラーコーディネートとカラーセラピーはまったく違います。
色の解釈は文化によって細かく違います。

例えば、猥褻な色というのは日本ではピンクと相場が決まっています。ところが韓国では黄色なんだそうです。英語圏では青といわれています。(友達の外人に取材)

もうひとつ例をあげます。

太陽をプリズムにあてると7色に分かれると日本ではいいます。
しかし大昔の人は、虹は3色だと思っていたそうです。

画家のように色に敏感な人は虹の中に7色以上の多数の色を発見します。

色の解釈、色調には、かなり主観がまざるのです。
女性はとくに緑と赤について感受性が高いと言われます。
さらに言えば個人個人で網膜の感受性の違いにより、実は微妙に違う色を見ているのです。

寒色、暖色というようなカラーコーディネートに使われているような大雑把な分類は有効性が確認されていますが、細かい色の違いに海外の人が作った精緻な意味付けがそのまま日本人個人に適用できる、というのは無理があると思います。

蝶のように紫外線にも感受性のある生物には、世界は全く違った見え方をしています。

三原色は物理現象ではない

物理現象として、しばしば「色は3原色の合成だ」と説明されています。
嘘ではありませんが、それは人間の目の特性から来ているということは知っておいてください。
(「光と色と」から引用)
この図のように網膜には赤を感じる細胞、緑を感じる細胞、青を感じる細胞と明暗を感じる細胞があります。

これらの合成で色のスペクトルの違いを感じるようにできているのです。

つまり三原色というのは普遍的な自然界の法則ではなく、あくまでも生物としての人間の感覚器官の力なのです。

色自体は光線の周波数(波長)で連続的に変化します。

色を発する光線と反射する紙

色と光の関係(周波数の話)について先にも軽く触れましたが、普通我々が目にする色、紙や液体はその色を反射しています。

例えば、赤く見えるものがあったとすると、それは赤い光を反射しているから赤いのです。
つまり紙の背後は赤い光の成分が大幅に減っています。

逆に光は赤い光を発するから赤いのです。

色の三原色が、赤、黄、青なのに、光の三原色が、赤、緑、青なのは、こういう理由からです。

さて、カラーセラピーにせよ、LEDによる治療にせよ、可視光線は皮膚の深部8-10ミリのところ程度まで届くといいます。
これはなんらかの穏やかな作用を人体にもたらすかもしれません。

赤外線はより深い30-40ミリのところまで届くようで、これだと関節や筋肉深部の治療によいのでしょう。

カラーセラピーは物理的に害がなく、このように組織の深部にまで浸透すること、さまざまに用意できるバリエーションをもつことから、鍼治療にいまひとつ不満な治療家の方にはぜひ試してみることをお勧めします。

カラーセラピーの理論

カラーセラピーについて、一般的な考え方を記しておきます。

色で体のエネルギーのバランスをとろう、というのが趣旨です。
他の療法との併用がよく行われ、心の問題、うつ病、ストレス、などによく効くといわれます。

医療の現場で黄疸を患っている新生児に青色光の照射がよく効くことは知られています。
これは理由はわかっています。黄疸は胆管の閉塞、肝臓疾患などにより起きます。老廃物であるビリルビンの色素がもたらす症状です。青色光線は皮膚を透過して酸素と共にビリルビンを排泄される物質に変換します。

カラーセラピーは、色による共鳴により細胞レベルで病気によりくずされたバランスを回復しようと考えています。
陰と陽に分けるならば、赤、橙、黄は陽で、青、緑、紫は陰です。

ツボやチャクラに色を照射することは多いです。

もう少し細かい種類のエネルギー(情報)をツボに与える場合は次のような分類があります。(チャクラそのものについてはこちらを参照のこと)

ルートチャクラ(性器)を活性化します。頭脳の働きを刺激します、心臓の鼓動と呼吸数をふやし、血圧をあげ、性的欲求を高めます。スピリチュアルには、火の色であり、肉体と我々を繋ぐ色です。
スワディスターナチャクラ(へその下、丹田)に働きかけます。食欲を刺激し、腸や消化器官の病気にはいい色です。スピリチュアルには、喜びの色で、潜在能力と我々を繋ぐ色です。
マニピューラチャクラ(太陽神経叢)を活性化します。鬱の緩和、記憶の増強、食欲を刺激し、消化不良を助けます。スピリチュアルには、我々の精神と智恵を繋ぐ色です。
ハートチャクラ(胸)を活性化します。落ち着かせる作用があり、神経システムのバランスをとります。心身ともにリラックスさせ、鬱や不安、神経症を和らげます。心臓の調子、血圧や潰瘍にもよいようです。緑は成長を刺激します。ガンや腫瘍に対しては避けるべきです。スピリチュアルには、愛と愛を繋ぐ色です。
ヴィシュダチャクラ(喉)のチャクラの色であり、呼吸器官の病気や喉の感染によい色です。青は体を静め、冷やし、過度の緊張を静めます。スピリチュアルには、健康の色であり、全体的な(ホーリスティック)考えを繋ぐ色である。
アージュナチャクラ(眉間)の色。鼻の病気や顔の疾患にいいようです。この色を浴びすぎると鬱になることに注意してください。スピリチュアルには、直感と私達の無意識を繋ぐ色です。
クラウンチャクラ(頭頂部)の色です。浄化、強化、気付き、食欲抑制、平和な環境をもたらします。体の骨格にもいいようです。腫瘍やガンの抑制、関節炎によい。
浄化や頭痛の鎮痛にはとりわけ有効です。スピリチュアルには信仰の色であり、我々とスピリチュアルな存在を繋ぐ色です。

最近、治療師によってはチャクラにも原因があることを見つけた報告をもらいました。

カラーパンクチャでは、色の効果は次のようにいわれています。チャクラという微妙な世界よりも、もっと現場に即した感じです。

効 果
否定的なものの吸収
血の病気(貧血、血行不良)、循環器(麻痺、風邪、喘息)
慢性の喘息、気管支炎、痛風、リュウマチ、腎炎、胆石、精神疾患(憂鬱) 黄・新陳代謝、分泌腺(胃、便秘、皮膚病)
胃の障害、消化不良、便秘、肝臓障害、糖尿病、湿疹、皮膚病,神経衰弱等。
体の毒素排除(潰瘍、癌、各種炎症)心臓障害、血圧、潰瘍、癌、頭痛、神経痛、インフルエンザ、梅毒、丹毒等
沈静(頭痛、筋肉痛、不眠) 目、耳、鼻 紫・精神・神経の調節、リンパ系、咽頭炎、甲状腺腫、発熱、腸チフス、コレラ、ペスト、疱瘡、水痘、はしか、卒中、ヒステリー、癲癇、動悸、痙攣、急性リュウマチ、嘔吐、赤痢、黄疸、腹痛、歯痛、頭痛、自律神経失調症、不眠、生理痛等。
精神・神経の各種障害、神経痛、坐骨神経痛、頭皮の病気、癲癇、脳幹髄膜炎、菌痙攣、リュウマチ、腫瘍、腎臓及び胆嚢虚弱等。
調和

色は色調など種類が多いので、自分が思う「青」と決めつけずに紫や緑に近い青も試してみたほうがいいです。

カラーパンクチャー

ツボに対しての療法として色を照射するカラーパンクチャー(colorpuncture)という方法もあります。ちなみに鍼はアキュパンクチャー(acupuncture)といいます。

カラーパンクチャは、ドイツ人のピーター・マンデル博士(Dr.Peter Mandel)により始められました。彼は鍼灸師の資格ももっておられたようです。細いツボに焦点をあわせやすい懐中電灯に青色フィルターなどをつけて、患部を一箇所一分程度、照らします。色が過剰だとしたら、その色の紙を貼り付けます。(色紙は反射した色に見える。つまり裏側には色は透過しない)

こうして体に与える色の成分をコントロールすることで、気の調整が可能だという考えをします。

なお、カラーパンクチャではターコイズを多用します。

カラーセラピーを試す

こちらに任意の色をスマホで出すWebアプリがあります。

https://www.mind-craft.net/blink

これを利用して患部に色を当ててみてください。

工房こぼれ話
記事にもあるとおり、カラーセラピーの機器は以前、販売しておりました。
しかし白色LEDの懐中電灯ができてから、いい機器が作れるだろう、ということで旧製品の販売は止めてしまいました。
それからずいぶん経ってしまったのですが、チャクラバランサーを作った際に、今回のカラーセラピー用の懐中電灯も密かに作りました。
しかし、カラーフィルターを作るのが大変でした。製品に添付されているフィルターは全部、手作りです。