自覚夢

夢による潜在意識との会話方法

自覚夢・明晰夢(Lucid Dream)という言葉そのものすら、あまり聞いたことはないかも知れないですが、夢を操り、自分の深層意識とコンタクトしようというものです。インターネットには断片的にあちらこちらで言及されています。
しかし、自覚夢をうまく使う方法となぜ可能かについてはほとんど言及されていないようです。

方法論については後に書きますが、いくつかあるようです。

2002/2/19に「特捜200x」という番組では、明晰夢を見る方法として3とおりをあげていました。

  • 感情法 ニューヨーク州立大学のフレデリック・ベアケランド(Frederic Baekeland)博士は、入眠前の30分間、感情を伴って連想した内容は、50%以上が夢に出現することを実験で明らかにした。具体的には入眠前の30分間、写真などを見ながら感情を伴って見たい夢を連想する。
  • 外部刺激法 睡眠中は外からの刺激に敏感になり、夢に影響を与えやすいので見たい夢のシチュエーションにあった、音や匂いなどの外的刺激を与える。
  • 記憶法 直後に起きる法見た夢を忘れないように、夢を見た直後に起きるようにする。

90分に一度訪れるレム睡眠の直後に起きれるように、目覚ましをセットします。
しかし、夢の記憶は非常に弱いので、あまり大きな音、強い振動で起こされるとその刺激で夢の内容を忘れてしまうので、そこそこの音量にするように注意したほうがいいかもしれません。

女優の岸田今日子が自覚夢とはいわず、見たい夢を見る方法といっていたが、うまい方法を語っていました。
「心の中で大きな門をたてる。門の向こうは夢の世界。見たい夢がかいま見える。私は門のたもとに座って、自分が寝るのを待っている。眠りにはいったな、と思うと立ち上がって門の向こうに行くのです。」(お亡くなりになりましたね。合掌)

私自身の経験を書いておきます。
とてもお品がないのですが、寝て、銀座を歩いている光景を思い浮かべていました。

そこで、実生活で犯罪とされるようなことをするのです。

例えば、強盗、百貨店を爆破する。
そうすると、ちょっとだけ意識が目覚めて自覚夢の世界に入っていきました。

できること、できないことがありました。
例えば、銀座の知らないビルの10階に入るということは、なかなかできないのです。できても光景がはっきりしません。
これで私は、「あー、夢というのは潜在意識が用意したものを顕在意識が見る行為なのだな」と納得しました。


以下は明晰夢を見ることを長年やっている人の方法論を要約したものです。

明晰夢を見る前提

一番大事なことは起きた後に夢を覚えていること。

夢を覚えることができなければ、せっかく、明晰夢を見たとしても、見た事自体忘れてしまうから意味がない。
また、夢を覚えるということ自体が明晰夢の習得にも役に立つ。
夢を覚えておくためにもっとも効果的なのは夢日記をつけることだ。

夢日記の付け方

枕元にノートとペンををすぐに書けるようにおいておく。
そして、目覚めた時や、朝方、眠りが浅くなって起きかけた時に直前に見ていた夢を書き留めるようにする。
この時、無理に文章を作ろうとせずに、箇条書きで夢の特徴を単語や短いフレーズでで書き留める。

自動車
スーパへの道
追い抜けない

犬を見失う

って感じ。起きて1分以内にできるだけ多くの言葉を書き留めるようにする。

夢の記憶というのは支離滅裂で失われやすいので、スピードが肝心。
あとから書き留めたフレーズを見て、文章を作っていけばいい。
書いてることめちゃくちゃであることがあるが、夢日記をつけていると、夢を覚えていなくちゃという意識が高まるので、寝てる最中にも夢を覚えようとする習慣が持ち越され、寝てる間に「夢を覚えなくちゃ・・あれ、いま夢見てるよね?」
って気づけることも多くなる。

明晰夢を増やす

いろんな練習法があるので列挙で紹介する。

1、1日のなかで何度も手のひらを見ながら、「自分は夢をみている」とつぶやく

僕達は日常での関心事とか習慣的に行っていることを夢に見やすい。何度も自分は夢を見ていると言い聞かせる習慣をもつことで、夢の中にもその習慣が持ち越されるという方法。
手のひらを見ながらというのは、後ほど紹介する明晰夢を長引かせるテクニックに関連する。

2、入眠時に心のなかでら、「ひとつ、私は夢を見ている。ふたつ、私は夢を見ている」と数える。

入眠時に明晰夢を見るためのテクニック。体はリラックスさせながら、ある程度の意識を保つために数を数える。
入眠時の夢は数秒程度の断続的なイメージにとどまり、体験としてはリアリティと継続性に欠くことが多い

入眠時の夢をありありとしたものにさせるテクニック

「夢の体」の身体感覚に注意を集中するというものがある。
身体感覚というのは、指でものをなでた時の肌ざわりだとか、ジャンプをしたときの重力の感覚、また、傾きの感覚など。傾きの感覚に集中するのは個人的にはとても有効だ。

例えば、スケートボードで下り坂を下って行く時の、スピード感とか傾きの感覚に注意を集中する。
眠ろうとしている自分の本当の体の感覚から離れて、「夢の体」の感覚に移行することが重要らしい。
そうすることで、入眠時の夢をイキイキとしたものにすることが可能だ。

レム睡眠のあとのほうに明晰夢を観る方法。シンプルだけど強力な方法

入眠時の夢のリアリティは寝起きのときに夢のリアリティには及ばない。
夢はレム睡眠時に見るものだけど、レム睡眠は大体90分周期なので、一日に8時間寝ると5回ある。
レム睡眠は後のもののほうが長くなるので、寝起きの時間帯が一番夢を見やすい。
惰眠をむさぼって、10時間近く寝た時のなんかは夢を長く見ることになるので、明晰夢を観るにはお勧め。

方法は、眠りが浅くなって起きかけている時に、体は起こさないようにリラックスさせながら、直前の夢を思い出す。
次に、その思い出した夢の中で「これは夢だな」と気づいている自分をイメージする。
何度もイメージを繰り返し、定着したと思ったら、意識をゆるめてまた眠りに落ちていく。

これで次に夢を見た時に明晰夢になる確率があがる

具体例を挙げると、朝方眠りが浅くなったタイミングで、それまでの夢を思い返して自分がコンビニで牛乳を買っている夢を見ていたこと思いだしたとする。

その時、「よし、じゃあ、次にこの夢を見た時は夢だってことに気づこう」と決意をしてコンビニでそれが夢だとわかりながら、面白いことをしている自分をイメージする。
たとえば、「夢なんだから、この牛乳をおもいっきり床にぶちまけてみよう。」とか。
そして、そうしている様子を視覚的にイメージする。何度も。

その後眠りにつくことで、同じ夢をまた観て、今度は実際に夢だと気づいているという確率が上がる。
他の夢を見る場合もあるが、それでも明晰夢を観る確率は確実に上がる。
寝起きに直前の夢を思い返すという習慣自体が明晰夢の出現率アップにつながるのだと思う。

「いま、なんの夢みてたんだっけ?」って考える事自体、「今、自分が何をしているか」という自覚を強める行為だからだ。

「いま、なにしてるんだっけ」って考える習慣が増えれば増えるほど、夢の中で、「今、自分は夢を見てるんだ!」って気づくことが増える。

「夢のコントロールについて」

明晰夢のなかでは意識があるので、思いつく限りどんなことでも可能だ。
空を飛んだり、壁を抜けたり、XXXしたり。
意識のレベルが高い時には前の日の晩御飯の内容を思い出したりもできる。
また、自分の意志で目覚めることもできる。

ただ、夢の状況を完全にコントロールするのは難しい。
夢の状況は「無意識的な予測」の力によってコントロールにされているからだ。

たとえば、あなたが花瓶に間違ってぶつかってしまい、花瓶が傾いて今まさに、テーブルから落ちようとしているところを目にしたとする。
その時、「あっ、割れる」って思うのが「無意識的な予測」だ。条件反射的な予測と言ってもいい。
夢は無意識的が思うように進むことが多いので、意識的なコントロールが難しい。

例えば、「空なんて飛べるはずがない」と思っていたら、空を飛ぶのが難しくなる。

(夢日記が人格障害につながるというのはデマ)

明晰夢は見れるようになったが、すぐに意識を失ってしまう。また、興奮して目覚めてしまうという人へアドバイス

「明晰夢を長続きさせる方法」

意識のレベルのを下げないための方法としては、「手のひら」を見るというものがある。
カルロス・カスタネダの「ドンファンの教え」で紹介されているテクニックだね。
夢の中で明晰になったと気づいたら、手のひらをみて「私は夢を見ている」と唱える。
上で紹介した明晰夢の確率を高めるテクニックで手のひらを見るのは、これと関連する。
「手のひらを見ること」と「夢だと自覚すること」をリンクさせる。
単にひたすら「夢をみてるぞー夢をみてるぞー」って叫び続けても良いかと思う。

ちなみに僕が見た最長の明晰夢は20分くらいかな。
体感だともっと長く感じるけど、実時間だと20分くらいなんだと思う。まぁ、正確にはわからんね。

「夢のからだの五感を刺激する」

五感を刺激するのは夢で意識を持続させるのに役立つ。
例えば触覚。明晰夢の中で、いろんなものを指で撫でて肌ざわりを確かめる。
アスファルトのザラザラした感じ。毛羽立った目の荒い木材の感じ。ひやりとした金属の感じ、など。
「回転テクニック」
夢の中で意識を保ちつつ、しかも、場面を切り替えたいときに使うテクニック。
夢なかで後ろにバタンと倒れこむ。この時、頭のなかがグワンとなって、三半規管が刺激されているのを感じる。
普通に倒れた時と同じだね。

そして、夢の場面が切り替わる。身体感覚が強烈に刺激されるので、夢の中に留まるためにも効果的なテクニックだ。

「XXXしたいけど、周りに誰も居ないじゃん。」という時に使ったりする。
ちなみに、夢の中では性的な衝動が普段よりも高まるようだ。
明晰夢に関する研究資料でもよく報告されている。
性的な快感は通常よりも長く続く、僕は男だけど、男は通常世界だと性的快感が持続することが無いので、夢の中でのXXXは刺激的だね。

あと、夢でのXXXで夢精しないのか心配になる人もいるかと思うけど、僕の場合はそんなことはない。
あくまでドライオーガズムのようだ。
でも、勃起はちゃんとするみたい。実験的に途中で目覚めてみたら勃起してた。下世話なテーマですみません。

明晰夢を見る人は自由なタイミングで目覚めることができるか?について

意図的に目覚めるのは「夢のからだ」ではなくて「本当の体」を動かそうと頑張って意識すればできる。
あるいは「起きる!!」とおもいっきり叫ぶ。ただし、ここで問題がひとつある。

「偽の目覚め」

明晰夢から目覚めて、自分の部屋でベットから起きて、朝ごはんの準備でもするかとトーストを焼いて、歯を磨いて・・・。
ご飯を食べて、さて、着替えようかと思ったら、スーツが無い。「あれー、クリーニングから昨日取ってきたはずなのになぁ」と思って、部屋を見回すと、部屋の構造がいつもと違う。そこで、僕はまだ、夢をみていると気づく。

ああ、まだ夢の中にいたか、よし、次はちゃんと起きるぞ!と思って、起きて、朝ごはんを用意して、歯を磨いて・・・としていると、目覚ましがなってベッドの中で目を覚ます・・・。
みたいに目覚めようとして「目覚める夢」をみてしまうというループに陥ることがある。
ひどい時には7、8回ループしたこともある。

これはおそらく、前に書いた「無意識的な予測」が夢の流れを支配しているからだと思う。
夢の中で「起きるぞ!」と意図すると、無意識はベッドのなかで目覚める
ことを「予測」して、その予測通りの展開の夢を作り出す。
それで、起きる夢を何度も見ることになってしまう。

「明晰夢を見やすい姿勢」

僕の場合は、横向きに寝るよりも、背中を付けて仰向けで寝たほうが明晰夢を見やすい。
明晰夢の見始めて間もない頃は、「仰向けになりつつ、両脚をクロスさせて、顔を横に倒した」姿勢がもっとも明晰夢を誘発した。

朝方、眠りが浅い時にこの姿勢になって、そのまま、また眠りに落ちる。
この姿勢はやってみるとわかるが、寝返りが打てず、動くことがない。
しかも、脚をクロスさせているので、少し不自然で覚醒度が上がるのだと思う。
安定と不自然さの両方を備えているので、眠りに落ちつつ、
適度に意識を保つきっかけになったのだと思う。

明晰夢を見ることになれてからは、脚をクロスするのはやめて、単に仰向けになって、頭を横に倒した姿勢にしている。頭を倒すのは頭がグラグラしないようにするため。
体の窮屈さが原因で目覚めることが無いので、今は、この姿勢が気に入っている。

たまに、明晰夢から意識的に目覚めたとき、この姿勢の状態で「究極のリラックス状態」にいる自分に気づく。筋肉が完全に脱力していて、ペタッとベッドに体が張り付いている感じになっている。
おそらく、明晰夢の状態では「夢の体」の感覚が活発になり、「実際の体」が完全にリラックスしているのだと思う。明晰夢を見た後の目覚めが心地良いのはこの完全な弛緩状態のせいかもしれない。

「明晰夢のなかでできること、できないこと」

「文字を読む」

一度に視野に収まる範囲なら、文字を読むこともできる。
でも、目をずらして、また、元の位置に戻すと最初と文字が変わっていることが多い。
でも、短いフレーズなら、読んだことは何度もあるし、起きてそれを記録したこともある。

「音を聞く」

夢の中で聴いた音楽のフレーズが特徴的で、それを口ずさみながら目覚めて、起きた後にも同じメロディーを歌ったりはできた。
ただ、僕は楽譜がかけず、歌も上手くないので、録音してまで記録しようと思ったことはない。
音楽をやる人なら、作曲の手助けに夢を使うことはできるかもしれない。
でも、そうやって出来た音楽は今までにどこかで聞いた曲である可能性もあるね。

「色彩を区別する」

これは当たり前のようにできる。明晰夢は普通の夢よりも特に色彩が豊かだ。

「夢かどうか確認する方法」

「ジャンプして普通よりも長く浮かび上がったら夢」ってゆうルールを作っておく。

予測通りになったら夢。現実世界では重力があるから、そうはならない。これで判別できる。

 

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