クンダリーニ

インターネット時代における伝説の考察

クンダリーニを覚醒させるという言葉があります。

クンダリーニとは、一種のエネルギーであり人間の潜在能力を100%開花させるための鍵、といわれています。男性は胴体の底の会陰部に潜み、女性は子宮頚に潜むとされています。
クンダリーニは蛇の形をしており、3回半のとぐろを巻いて眠っているそうです。これがなんらかの理由で目覚めると、脊柱をとおり、次々にチャクラを開き、脳下垂体にあるサハスラーラ・チャクラにいたる。これにより、その人は宇宙意識を知り、彼と我の区別を知らず、肉体をいつでも超越できる悟りを開くといいます。

覚醒した人

インターネットをこのような分野で調査することは非常に興味深いものです。ここ最近、クンダリーニはまったく話題になりません。
覚醒した人はどこかにいるらしいのですが、その人について話す人は決してその人を紹介しようとしません。覚醒した人はみんな死んでしまった過去の人で、今は墓の中です。

クンダリーニを目覚めさせる方法は、あちこちに書いてありますが驚くほど同じです。
おそらく種は簡単なことで、現代のブログと同じ現象が起きているようです。
クンダリーニについて、昔、誰かが本に書いたことが孫引きされコピー、転載されているのです。

誰も確認していない偉大な効果だけが出回っています。
証拠を出す必要がない分野はどれでも、知ったかぶりの権威が乱立するのはいつものことです。

伝説を求めて

オカルト世界の人間は、太古より伝わる知識がすべて正しい、という暗黙の前提をもっています。昔の知識を否定している人に会ったことありますか?
一方、科学は古人がいかに間違っていたかを暴きだしてきました。いまだに不朽の倫理書であるパイドンなどを残したプラトンですら、天動説を唱え、奴隷制度を許容していました。人類は丹念に事実を積み重ね、プラトンの説であろうが突き崩し、いまだに真理を追究しつづけているのです。

オカルトに傾倒している人は「そんな過った知識がいつまでも伝えられることはないだろう」という。そうでしょうか?先のプラトンは紀元前400年頃の人だ。天動説はガリレオにより、ようやく16世紀に履がえされたのはご存知のとおりです。つまり、2000年もの間、誤った知識が伝播されていたのです。
迷信がいかに根強いものであるかわかります。

伝説の主人公

人は伝説を求めます。神話学者のジョン・キャンベルによると神話にはパターンがあります。
人がワクワクするストーリーにはパターンがあるということです。
ここでは一寸法師を例にとって考えてみましょう。

まず、生活で足りないものが発見されます。
一寸法師は、身長がハナから足りません。

そこで、立ち上がるのです。
一寸法師も長じて旅にでます。

もちろん、英雄は死にそうな戦いを繰り広げ、勝ちます。
一寸法師も彼ならではの強みを活かして鬼の体内にはいり勝利します。

そうすると足りないものが満たされます。
一寸法師は打ち出の小槌で身長も大きくなりました。

このようにできているのです。

オカルトにあこがれる人間も、本人が意識しているかどうかわからないが伝説の旅に出たいのではないでしょうか。

  1. 実世界ではいまひとつな自分が、人類に失われたクンダリーニという能力を求める。
  2. 情報を求める旅にでる
  3. どこかにグルがいて、修行をすることで限界を超えれば、失われた能力を発見でき、
  4. 実世界にクンダリーニを開いた英雄として帰る。

というストーリを無意識に演じたいのではないでしょうか。
しかし現実では、そういう「英雄」がオカルトの知識を求めてさまよい、ホラ話、エセ宗教、エセグルの餌食になっている気がします。
英雄は生き延びますが、一般人は討ち死にしてしまいます。

クンダリーニとは

伝承されているようなクンダリーニについて、私は疑問だらけです。

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