願望達成について考えるヒント
この記事はずいぶん前からMind Craftに掲載しているものです。ある有名な瞑想の先生のいわれたことを要約したものです。
様々な観点が語られていて、必要な方の役にたてば幸いです。
願望の設定
「金持ちになりたい」「海外旅行に行きたい」というのは目標ではないですね。
願望自体の設定に迷う方はとても多いです。
多くの人が「幸福」を求めますが、自分がなにをすれば、どうあれば幸福であるかわかっていないから見当外れの目標を持ってしまうのです。
幸福には客観性がありません。
とはいえども自分の人生を実り多いものにしたい、と考えはじめるとなかなかよい指針はみつからないものです。
ひとつの方法が、あのビジネス研究で有名なDiamond Harvrd Business Review July 2004に「色あせない成功を求めて、」という表題で議論されています。
本当の成功というものが単なる金銭収入だけでないことは誰でもわかると思います。 この論文によると、色あせない成功は次の4つの要素から成り立つといいます。
- 幸福感:人生から喜びと満足感を得ること
- 達成感:なにかの業績で他に誇れること
- 存在意義:身近な人にとって意味のある存在感があること
- 育成:自分によりだれかの未来の成功を助けること
このひとつの要素を欠いたとしても、色あせない成功といえないのではないか、欠けた成功でどこかに不満がある人はさまよい続けるようです。逆に、この4つの要素をもった成功は充実感を持ちつづけるといいます。
この論文では、仕事でどれほど成功しても、私生活でボランティアをしたくなるように、4つの要素を満たすように人は成功を追い求めつづけるというのです。この4つの要素をみたすような目標、ということを考えるのは願望(目標)をたてるときに大きな参考になると思います。
そして、色あせない成功を達成した人達はひとつの境地、「足ることを知る」に達するといいます。4つの要素を満たす願望には限りがないため、ひとつの目標を達成する、いや、達成している途中でも新しい目標にとりかかるのです。傍目に見ると移り気に見えますが、本人のもつ基準からすると矛盾していないのです。なんと自由な人生であることでしょうか。
この論文ではそういう考え方を「カレイドスコープ(万華鏡)思考」と呼んでいます。筒の底には4つの鏡、幸福感、達成感、存在意義、育成があり、そこにさまざまな目標の小片をいれると壮大な像が見えるというわけです。目的の小片は、十分だと思ったら、新しい小片といれかえていくというのです。
目的を決めるにあたり、論文では4つの要素ごとに自分、家族、仕事、地域社会について考えてみることをすすめています。目的は自分の全体像が本当に満足いくものか見極めるためですから、過去の記憶ですばらしい成功だったと思うこと、どうあれば成功だと思うのか、などを書き込んでいってみてください。
その上で確認項目として、
- 全体のまとまり
- 4つの要素のうち空欄がめだつものはないか
- 逆に非常に多く書き込まれているところはないか
- 「自分、家族、仕事、地域社会」にまたがっているか
- 全体の多様性はどうか
- 過去、最大の成功体験、うれしさはどこにはいっているか
- 足りないのはどこか
- 自分がこだわっているのはどこか
- 年齢と共に要素が変化しているか
- どのような活動に時間を使っているか
などの点から観察味してみると、文字通り、万華鏡のようにあなたの人生の思いがけない目標を発見できることでしょう。
「願望をもち人生をかえる」ということは、このようにあなたの一生を省みて前を向く素晴らしい事業なのです。
と、ここまでは常識的なハーバード・ビジネス・レビューなどに掲載される当たり前のことを書きました。
これで納得できる方もいるでしょう。
以下はそうじゃない人のためです。
上のような立派な人向けの方法論があわない人は、
「他人のことを考えることをやめましょう」
自分のための目標
他人の役にたつ、とか、他人に評価される、ってあなたの魂にとってはどうでもいいことなのです。私もそうです。
人は裸で生まれ、裸で死んでいきます。
よほどの偉業を成し遂げた人でなければ、数年も経てば忘れ去られます。
2023年で言えば、暗殺され国葬までされた安倍晋三氏の暗部が晒されまくってます。旧統一教会とのつきあい、ビッグモーター(山口出身)のデタラメさの暴露、自民党安倍派の裏金、役人の人事権を盾にして三権分立が働かないようにしていたのに亡くなったため東京地検特捜部が動く。
世の中を見回してください。立派な人から犯罪者まで、多彩な人がいます。
宇宙が求めていること、つまりあなたの魂が求めていることはあなたが幸せであることです。
怠け者の夫をもち、身を粉にして働いたわずかなお金で子供を育てることが幸せな女性もおられるのです。
大事なことは、あなたを今取り巻いているあなたの環境はあなたが創りだしたものです。
あなたが死んでしまえば、その環境は誰も知らなくなるのですから。
つまりあなたはあなた自身の世界をもっています。
その世界で自分はなにをしたら、幸せを感じるか、よく感じてみてください。
人は興味をもったものにエネルギーを注ぎ、その部分の世界が拡大します。たとえ、今、不快に感じていたとしても、なにかに引きつけられ興味があるから、そこを見つめエネルギーを注ぎ込むのです。
それがなんであるか、自分に問うてください。
宇宙はよくできていて、問えば答えが必ずあなたの横にあるのです。
なぜならば、あなたは生まれてくる時に時代も環境も選んでいます。
あなたが自分が幸せだと思う方向に課題と解決策はあるのです。
ステップ 1.
人生を改善したいと思うなら、願望をもつことが第一歩です。
その願望は楽しくあなたの興味を引き付けるものでなければなりません。
お金ではありえないのです。
お金はあらゆるものに換算できる、消費生活を送るためのものです。
つまりお金持ちになりたいという願望は豊かな生活をしたいといっているだけで願望になっていないのです。
「いやいや、俺はカネがあればぐーたらなにもしないで生活する」
そこなんですよ。それ、幸せですか?
ぐーたら酒飲んで、好きなもの食べて、ぶくぶく太ってるだけ。
はい、ここで映画やテレビを見ることも含むのであれば、あなたは自分に嘘をついています。
本当はぐーたらしたいのではなく、冒険したいんじゃないですか、旅行したいんじゃないですか、外の世界に出たいんじゃないですか。
だからテレビや映画を見たらワクワクするのです。
自分の本当の願望って、こう考えて決めるのです。
「俺、どういう人になったら、幸せなんだろ?」
って。
決めたら、それが必ず手にはいると心密かに決めるのです。
これは自分のためであって、他人のためではありません。
だからそこで、ダレダレよりも幸せになる、とか、ダレダレを不幸にしてやる、とか、周りに尊敬されるとか、権力をふるうとかいうのはナシです。
周りの人がいなくて、それをやっている自分が幸せ、ってなんでしょうね?
誰にも話す必要はないんです。
こっそりと紙に書いて「キャー」っていうことでいいんです。
これが第一歩です。
そもそも、自分の願望を明確に紙にかけるほど明確にしたことはありますか?
最近は頭のいい人が多く、指一本動かさずに考えるだけで判断する人が多いですね。
人間の手ってとっても高度に進化しています。その中でも字を書くって行為はかなり高度です。
それだけ自分の脳と対話する有効な手段なんですけどね。
あー、それからすぐ話を一般化したがる人いますよね。
「いい大学にはいれば、いい企業に入社できて、いい生活を送れる」
とか、
「俺は大学出ていないから、いい仕事できない。世の中を見ろ」
とか。
私のようなおっさんは、そういう達観したような意見を見ると笑ってしまうんですよ。
例えば就職。
もし、世の中に存在するすべての仕事に必要な能力がリストアップされていて(これだけでもかなりムリ)、日本国民全員が学力テストを受けて、ランキングされ、その能力表どおりに割り当てられるならば、「大学出てないから、いい仕事できない」には同意します。
ところが世の中はそうじゃない。てんでバラバラ。仕事の能力の測定機能なんて存在しえない。(世の中、そんなに賢い人はいませんし)
もっというと、50年後には今私達の知らない仕事がメジャーであることは歴史が教えるところでありますが、その最初は既存の仕事から弾き出された人たちがやっています。
かくいう私も大昔、日本IBMで大型コンピュータの専門家をやっていました。IBMがパソコンをLANにつなぎはじめた時に、そこに無限の未来を見ました。(1980年代です)でも、会社の上司は「あんなおもちゃがメジャーになるわけがない。そんなところに君はやれない」と言ったのです。
30年後の今はどうですか。大型コンピュータなんてどこにありますか?
これが世の中です。
今の基準と、ありもしない確率を語ることほど虚しいものはないんです。
宝の山がどこにあるかわかるほど、人間は賢くないんです。
そして、有名になったり、肩書をもたないけれども、実生活で幸せにやっている人はいませんか?
そういう人は、自分の意志でがむしゃらに走っただけの人からすると、とっても眩しいんです。
あなたの願望を達成する第一歩は、環境に妥協しないで自分が生きたい願望を明確にすることなんです。
なにも人生全体で一貫した目標を持てといっているわけじゃないんです。軌道修正ありです。
あなたや私のような普通の人間は今現時点での理想を描ければそれで十分。
ステップ2
願望が見えたら、それについて本を読んだり、それについての話題が身の回りにないか期待しましょう。
子供のころのことを覚えていませんか?
本や写真一枚で、延々と想像の旅に出たことありませんか?
あの能力は今、どこに行ったのでしょうか?
願望って自分にとって楽しいことのはずです。
あれこれ考えるほど、楽しくなってこないですか?
これ、実はすでに瞑想なんです。
夢想するって立派な瞑想です。
心を無にするって瞑想の一種であってすべてではないのです。
そしてこの夢想瞑想の恐ろしいところは、やっていると現実が変化しはじめることなんです。
なにかその願望に近づける出来事が起きる。
以前から身近に存在していたことが新たに意味をもったりする。
私達、普通の人間には宇宙で起きていることの関係はわかりません。それを古人は「人生は塞翁が馬」という喩え話にしたのです。
ステップ 3.
神様がいるかどうかはわかりません。
しかし、この現実世界には絶対に変えられないルールがいくつかあります。
ひとつが自分の人生は自分でハンドルを握りつづけるしかないってことです。
私の周囲にも50歳過ぎて、まだ親の援助とか、社会人の子供にわーわー言っていて、自分は空っぽの人っています。
若い人が他人の価値感でわーわー言っているのは、みんな「仕方ないね」と思いますが、50歳過ぎた人が、世間の価値感と周囲の人の話ししかしないと、
「薄っぺらな人間」
という称号をもらいます。
なんとなくみんな「それっておかしいんじゃないの?」と思うのですよね。
自分の現実にどっぷり浸かり、
「失敗しない人生」
を歩いている人も味気ないものです。
たいてい偉そうですが、怖がりやなんです。
よい例えかどうかはわかりませんが、私は評判が悪いレストランに行くことも好きです。
評判がいい店での体験は「おいしかったー、また来よう。よかったね。」で終わりですが、悪いレストランで「店員に無視されてさぁ、出てきたステーキ真っ黒なの」ってのは何度も人に話せます。
失った代金でかなり遊べるってことです。
失敗って人生を本当に彩ってくれます。
大事なことは
失敗=悪、損
じゃないんです。
なぜ延々とこんなことを書いているかというと、これがわからない限り、新しいことにリスクを取って取り組むことができないからです。
変化とは必ずリスクがあります。
そのリスクをどうコントロールするか、は大人の判断が必要です。リスクを恐れている限り、自分で責任を取れない子供なのです。
「失敗学」というジャンルを学ぶと成功するためにはたくさん失敗しないと行けないということを学びます。
リスクを取れない人間とは、リターンも得られない人間ってことです。
ステップ 4.
中国の四書五経のひとつ「易経」は別名変化の書といわれます。
この本が教えていることはただひとつ。
この世に存在するもので変化しないものはない。
周囲と自分の人生でこの言葉のもつ意味を「味わって」ください。考えるのではありません。実例と共に味わってください。
それでこの言葉はあなたに定着していきます。
ドラマと違い「そして一生楽しく暮らしました」は本来、ありえないのです。
周囲がいかに変化しても、あなたはあなたです。
マグロは世界中を泳ぎつづけます。決して止まることはありません。暖かい赤道のあたりを泳いでいても、寒いアラスカ近海を泳いでいてもマグロはマグロです。
環境の変化を恐れることはないのです。
不思議なもので人はその人が考え、その時点で受け止められるだけの環境しかこないのです。
先に書きましたが、人って自分の考えにしたがって世の中を見ていますから、考えどおりの世界しかないんです。
こういう話があります。人が世界を認識しているのは、なんと眼前で起きていることですら4%しか把握していない、と。
目に見えるものも耳に聞こえるものも、脳が自動的に関係ないものはシャットアウトしています。
その情報をさらに、自分で取捨選択しています。
つまり眼前のことでも人は自分に関心のあるものしか把握していないのです。関心が変われば、世界は変わるのです。
どれだけ絶望的な状況にいても、必ず変化する、ということです。
そのために、まずは小さな願望を達成することを繰り返し確認するのです。
そうすると、変化の訪れの様子がわかり、世の中の仕組みが少しだけ理解できてきます。
目先の出来事に一喜一憂しなくなるのです。
むしろ好奇心がわきます。「これがどう変わるのだろうか?」と。
少しずつ大きな願望も叶えられるようになります。
そうして願望にだんだんフラフラと近づいていくのです。
ここからは、余談です。
なぜ今までの願望成就法がダメなのか
今までいろいろやってこられた方へご説明します。
- 開運グッズ
- 護符を除くグッズ類は、願望にまったくフォーカスされていません。
漠然と「幸運になる」「異性にもてる」「ツイてる」「お金がはいる」ではどうしようもない。
それであなたはどういう人生を歩みたいのでしょうか?
開運グッズは自分のネガティブエネルギーを消す方向や望む方向のアシストに使うべきです。 - 護符
- 護符を書く人が書いたものは本当に効果があります。
私の周囲にも数人経験した人はいます。
しかし普通の神社仏閣で売られているものは、某所で日本全国ぶんが大量生産されていますから、それ自体に力はありません。
各神社仏閣でお払いでもしてあれば、まだマシなほうです。
護符をもって神社仏閣で真剣に祈れば、周囲に人がいなければエネルギーが降りてくることが期待できますので、そういう使い方をお勧めします。
真剣に祈るならば、昇殿参拝するほうがいいことは言うまでもありません。 - アファーメーション
- ここでも書いていますが、願望の設定こそが大事です。
言葉が上滑りすると、現実を見ようとしないポジティブシンキング、逃避に陥りやすいです。
ましてや「ありがとう」を気持ちをこめないで唱えているだけではなんの意味もないです。
むしろ感謝の気持ちの安売りであって、どんどん悪くなっていきます。
同様に自分の無意識を信用せずに、自分に言い聞かせたところでたいしたことは起きません。
潜在意識への刷り込みなんて1,2回確認すればそれでOKです。 - 霊の活用
- あまりお勧めしません。とくに、お稲荷さんはお勧めしません。
神様は普通は取引しないです。お稲荷さんはします。お稲荷さんと同レベルの明王クラスは危ないのです。
先祖の霊は普通は子孫を助けます。水子の霊は祟りません。
神様の力を得たいのであれば、我よし他よし、の共栄共存の大きな志を願ってください。
あと、仏罰、神罰はないです。あーゆーことを言って神様と話すのは私経由にしろ、と主張している人自体のほうが罪深いです。 - 過去の成功者の研究
- カーネギーとかビル・ゲイツとか、大金持ちになれるのはほんの限られた人だということは、サルでもわかります。
大金を動かす体力というのは半端じゃありません。
同様に企業の成功例を研究した本はたくさんあります。
しかし、成功した人、企業でずっと繁栄しているところはマレです。
このことは、変化についていけなければ、元の木阿弥で、「そしてずっと幸せに暮らしました」はないということです。 - 簡単にビジネスで成功しよう、という呼びかけ
- 最も危険な風潮なので、あえて斬ってみます。
ホームページを作る上で、成功哲学といわれるジャンルの本をよく参照します。
最近だと、本田健さんがかかれているような類い。
いったいどういうビジネスをやれば、「幸せな小金持ち」になれるのでしょうか。
本に描かれているのは幸せな小金持ちになった時の心構え(彼らの言葉で「お金のEQ」)であり、現実化する過程についてはなにもないのです。
事業は千差万別です。だから書ききれないという事情もあります。
そこでわかることは、成功哲学本にかかれていることはすべてではない、ってことです。
私が普段、周囲の人と話をしていて思うのは、ほとんどの人はビジネス(=事業)の責任を負いたくないからサラリーマンをやっているのではないでしょうか。
人と同じことをしていて安心するから雇われ人をやっているのではないでしょうか。事業をやっていくということは、お金儲けの仕組みを自ら回すということです。
「周囲と同じように」だとビジネスで一番大事な収入をどんどん削ってディスカウントしていくか、ネットビジネスのように仲間を食っていくしかありません。
現実にビジネスをやっていく上で、ビジネスの知識が必要ないとでもいうのでしょうか?
なによりも、物事を実現化するためには根気が必要だったり、真剣に考える能力がなければならないのですよ。
「起業バカ」という本を起業しようと思う人は必ず読むべきです。喉がかわいている旅人が逃げ水をおっかけているような状態に見えてなりません。ビジネスのみならず、人生に王道はないと思います。
自分で道を決めて歩くことこそが楽しいことだと思います。意思をもつことと、現実に立ち向かういずれが欠けてもシアワセな人生はおくれないのではないでしょうか。
真剣に感謝しよう
頼れるものは自分だけです。頼れる友人が見つかれば人生はもっと楽しいというだけです。
どうせ死ぬ時はひとりですから。
願望を決める、その過程、達成後、すべてに必要なことは今の自分があることへの感謝です。今の環境があってこそ、次の願望を立てられるのです。
それゆえ、今もっているものを大事にしてみましょう。
よく見つめましょう。
それに向かって「心強いぞ」と声をかけ、祝福しましょう。
感謝の心はとても心に安定感と安心感を与えてくれます。
おそらく、この気持ちが願望達成に必要なエネルギーを呼び込む力のように思えてなりません。