潜在意識

インターネットを見ていると「潜在意識が妨げている」とか「潜在意識で願望を叶える」という表現が多くないですか?

自分がやろう、やったほうがいいと思っていることについて、先送りしてしまう、ヤル気が起きない、障害が起きる、などのことはしばしば起きます。

でも、それって潜在意識のせいなのでしょうか?
そんなに潜在意識と顕在意識って意見が違うものでしょうか?

潜在意識と会話することが難しく、教えることがビジネスにすらなっているということに違和感をもちます。

私達は潜在意識に乗っかった子供です。
考えてみてください。朝起きてから寝るまで、あなたはどれほどのことを意識的にやっているでしょうか?
ほとんどがちょっと意思を働かせただけで、あとはほぼ自動操縦のように物事を進めています。
歩く、駅に着く、定期券を出す、ホームに行く、電車に乗る、すべて自動的です。
確かに最初の何回かは意識的にやったでしょう。しかしあとは自動的。
それをすべて担っているのが潜在意識です。
さらに内蔵を動かしたり、疲労したら休むように要求したりします。

ほとんどの人はそういう「生きるため」の潜在意識の活動を無視して、自分の意識がすべてをコントロールし、潜在意識は歯向かってくる存在だと考えているようです。

その「すべてをコントロール」できているという錯覚こそが顕在意識の欲望であることに気づきません。

今日は潜在意識と折り合いをつける方法について書きたいと思います。

最初に自分がやろうと思っていることを自分が妨げている場合、いきなり潜在意識の議論をするよりも先に、「自分をきちんとかまってあげているか?」意識の世界の自分の中を見つめてください。

私は自分の機嫌を自分でとても取るほうです。
やらなくちゃいけないことがあってもヤル気が起きないとYoutube見たり、Amazonで買い物したり、まとめサイトの世間話を眺めていたりします。

で、ふと「ちょっとやろうかな?」と気分が変わったらその気分をおだてて、やらなきゃならないことに突入します。

自分の機嫌をとらないで「いやだなぁ」と放置しておくと締め切りギリギリとなってしまい、ロクなことになりません。
その前に自分を大事にしてやるべきことはやったほうがいいと思います。

しばしば「自分を蹴っ飛ばすように叱咤して、やることはやらねばならない」と思い込んでいる人もいます。
私から見ると、まるで自分を信じていない人です。
こういう人は「病気になったらどうしよう」「やっても結果が出ないとどうしよう」とか失敗について考えることが大好きです。
だから失敗しないように努力を始めます。
言い換えると失敗を期待しているのです。
もちろんそのまま潜在意識に伝わります。
失敗を引き起こすと「ほら、やっぱり」と言います。心の中で失敗を期待していたのです。

だいたいこのタイプの人は潜在意識など、まるで信用していません。
「自分が引き起こした」「自分が探した」と顕在意識で思い込んでいます。
だから失敗を恐れることが、潜在意識にどういう影響を与えるのか無頓着です。
世の中の圧倒的多数です。

潜在意識はあなたの生存のためにいます。顕在意識より保守的なのです。

 

さて、潜在意識と意思疎通することはそんなに難しいことでしょうか?

もっとも簡単なものは呼吸ですね。
呼吸は意識をしてコントロールすることもできるし、意識しなくても潜在意識が体の要求に応じてコントロールしています。
それゆえ、潜在意識との会話のはじめとして呼吸は瞑想などで古来、推奨されてきました。

次に簡単なものは、誰もいいませんが、自分に宣言することです。
そんなんでできれば苦労しないって?
私は過去、何十年も目覚まし時計を使って目を覚ましたことはありません。
(万が一のために、必要な時はセットしますけれども)
眠る前に時間を確認し、「俺は朝7時に起きるんだよ」と明確に2,3回言い聞かせると、7時前にスッキリ起きられます。
これが潜在意識との会話と言わずしてなんでしょうか?

実は世の中で顕在意識から潜在意識へ手渡す方法のひとつは出回っています。
スポーツ全般です。
コーチは選手の動きを見て「もっとこうしたほうがいい」といい、選手は意識しながら動きを変えます。それを何度もやっているうちにいつしか潜在意識が肩代わりします。
車の運転もそうですね。最初は意識で必死になって操作しますが、だんだん潜在意識が肩代わりするからラクになります。

このように潜在意識は「体で覚える」ことについて有能なのです。

ところが願望達成の手段として、アファーメーションという手法があります。
ひたすら完成形のアファーメーションを唱え続けて潜在意識に染み込ませる、などという理屈をしばしば見かけます。
オススメしません。

いったいいつからあなたの潜在意識は、耳の遠い爺さんになったのでしょうか?
あなたが四六時中、叫びまくらねば聞こえないのでしょうか。

上に書いたように潜在意識に意思を伝えるなんて簡単なことです。

潜在意識がなかなか言うことを聞いてくれないという前提がないと、困る人達が多数いるのは承知しています。
アファーメーションとか潜在意識に呼びかけるなどの技法を売り物にして暮らしている人々です。
彼らからしたら言う通りにしているあなたはおかしくて仕方ないかもしれません。

考えてみてください。
潜在意識があなたに有利に働かない存在であれば、あなたはそもそも生きていくことすらできません。

あなたは潜在意識と共に生きているということを忘れないでください。

潜在意識が耳の遠い爺さんであるという話を鵜呑みにしてしまったように、あなたは自分の意識についてほとんど考えていないのではないですか?

願望を達成できる方向に進まない時は、潜在意識との会話以前に、自分の顕在意識の中で合意が取れていない場合のほうが多いと思います。

それでは潜在意識は混乱します。

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最初にやるべきことは、心静かに自分がどうあれば幸せであるか、意識の矛盾をなくすことです。
欲望を羅列するのではなく、自分がどういう生活をする人であるかを決める。
それはスピリチュアルな言葉でいえば「あり方」と言ってもいいだろうし、存在する(Be)と言ってもいいのでしょう。

問題の解決策についても、なにが問題であり、なにを解答として知りたいのか明確にします。
答えが今ない質問を英語では”Open Question”といいますが、それほど普通に疑問を作ります。

アファーメーションも課題を疑問形にすれば、潜在意識はおのずと答えを探すのです。

これらはスピリチュアルでもオカルトでもなんでもありません。

仕事ができる有能なビジネスマンはみな自分の中に矛盾がないか整理して行動しています。
問題について書き留めます。
それは理性的ですが、結果を出す第一歩です。
よく知られている意識の使い方なのです。

マインドフルネスが仕事ができるビジネスマンにもてはやされるのは、なんとなくの行動がはっきり言葉で表現されたからです。

講師本人が結果を出せているのかわからないワークショップに出かけるよりも、仕事で結果を出しているビジネスマンが関心をもっていることに注目してください。
そのほうが結果が出ます。

潜在意識と会話することは簡単で、むしろ顕在意識の使い方のほうが難しいのかもしれないです。

さらに簡単に潜在意識につながる方法をアシストする方法がありますが、それは近々お話しできると思います。
私はその方法を「意識の底を歩く」と表現しています。

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