治るとは

健康雑誌には毎月のように「○○○で△△が治った!」という特集記事があります。なんとなく「そうか、そりゃやってみなくちゃ!」と思いますが、その前に..

医学博士アンドルー・ワイルの「ひとはなぜ治るのか(日本教文社)」を一読されることをお勧めします。
ひとに起こる重要な変化のひとつである「治る」ということが、いかによくわからないものであるか、書かれています。

ちょっと一部を要約します。

世界中に「いぼ治療」は山ほどある。あなたの身の回りにも2、3種類は簡単に見つけ出せるだろう。私は、人がどんな方法でも「治る」証拠として集めている。治すのは、その治療法そのものではなく、あくまでもあなた自身だからである。数多い治療法は、その自己治癒を開始させるトリガーにすぎない。トリガーは残念ながら、意識できるところにはなく、無意識のどこかにある。

それを動かすために使われるのが「プラシーボ」である。プラシーボとはよくいわれるのは、小麦粉のようななんの役も果たさないもので睡眠薬の役をはたしたといわれるものである。しかし、多少体に刺激をもたらすものを使ったプラシーボもある。例えば、軽い興奮剤をLSDと偽ってわたすと体に現れた変化に触発されて本当にトリップしてしまう。こういうものを「活性プラシーボ」といおう。

風邪をひくと抗生物質を飲む。しかし、風邪を弱める抗生物質はいまだに発見されていない。にもかかわらず、大多数のひとは治る。これも「活性プラシーボ」である。ある人の無意識を見事に動かし、トリガーとして働きかける活性プラシーボであるならば、それから始まる自己治療により、人は「治る」のである。

他に現在の薬についてなど、いろいろ指摘されています。もっと知りたいひとはぜひ読んでみてください。特に鍼灸、気功治療、いろんな療法、治療グッズを買おうか悩んでいるひとは、読んで損はしません。自分が治りそうだと思えれば、どれも有効だということの例がたくさん書いてあります。

活性プラシーボ

私達は、子供のころから「お医者さんにいって、治してもらおうね」という言葉に慣らされてきました。しかし、ちょっと考えれば分かるように、病気を治すのは自分自身の体です。

「そうはいっても薬は効果があるじゃない」いえいえ、不思議なことに新薬も年々、効果がなくなっていくのです。まるでみんなが飽きたかのように。。。

サイモントン博士は癌の患者に一日三回ゆっくりくつろいだ状態で次のようなイメージをもつように指示したそうです。

自身の白血球軍隊が癌細胞にとびかかり、攻撃している。コバルト照射の光線の弾丸が癌細胞に命中し死滅していく。汚い色の死んだ癌細胞は体から除去され、その後は新鮮な組織がよみがえっている。昨日より今日は確実によくなった

そして、毎日50回「良くなった」はっきり声に出していう。

これで152人の患者に成功をおさめたといいます。このような気持ちの持ち方で治癒が起きることもあるのです。

そもそもなぜ病気になるのか?

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お店をやる前からもう35年くらい代替医療にかかわっています。

その中で思うことは人が病気にかかる理由は、「かかりたいから」と「病になる必要があるから」です。
もちろん、本人の顕在意識ではそんなことは思っていません。
しかし、実際はそうなのです。

「かかりたいから」というのは、体の不協和音です。

たとえば「仕事をして評価されたい」という思いと「パワハラを聞いて我慢している」という環境はおうおうにして癌を生み出します。
この時、仕事を諦めて新天地を求めればよいのですが、人は目先の環境に驚くほど固執しますから体は病を発します。

たとえば「暴飲暴食が好き」という行動と「楽しい思いをしたい」という生活は、体に負担をかけていますから、生活習慣病のいずれかが噴出します。

この時本当は、自分の中を見つめて「本当に私の楽しいことはなにか?」をつきつめることが必要ですが人は驚くほど外的要因に原因を求め、自分の内面を見ませんから、病は治りません。

「病になる必要があるから」というのは、風邪やアトピーは体のなんらかの反応です。
その病になることで、なんらかの毒素の排出を試みています。
とくに風邪は引いた後は、整体などの効きもよく体の調子を整えるチャンスであることは知られています。
また大病をすることで劇的に人生観が変わる人はよくいます。
そういう人は「病になる必要があった」のです。

病にかかることを「悪いこと」と子供のころから刷り込まれているからこそ、病を敵視するのです。
それも、人の状態です。

さらに体は生まれた時に、強い部分と弱い部分をもちます。
弱い部分は病にかかりやすく、治りにくいです。
またそれが、その人の人生における課題を解決するための道具であるのです。

これらの原因を見ていると、体を機械とみなして、部品の不調を直せば健康になる、という考え方がいかに短期的な見方なのかがわかると思います。
そうすると、特定の病を治すには、その人の人生観を修正することが長期的に有効であることになります。

ホメオパシーやニューライフリメディ療法で「症状が過去の出来事を示している」ことは関係しているのかもしれません。

しばしば、治療家で「癌を治した」ということを喧伝する人がいますが、まったく修行が足りていないと言わざるを得ません。
病気は結果であり、それに至る動機はさまざまなのです。
癌はそもそも原因がひとつではありません。
治らなかった例を切り捨てて、数個の例で「治した」ということは惨めなものです。
これは本当に癌を治す鍼灸師達が常々言っておられることです。

ホリスティックに医療をやるという言葉はよく聞きます。
しかしながら、その道はかつて作られたものながら、雑草がはびこり、進むことは容易ではありません。
治療に対する考え方が、20世紀以降、近代医学の影響でとても大きく変わったのです。

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