エーテル

科学が打ち倒すのに苦労し、いまだにエセ科学界を跋扈しているもののひとつです。
ちなみに、エーテルはetherと書き、オカルト界でエーテル体とかいうのはaehterと綴りが違う、つまり別物であることをご存知でしょうね。
ついでにいえば、コンピューターネットワークに必須のLANのイーサ(ether)の綴りは、このエーテルからきています。

エーテルという概念が出てきたのは比較的新しいのです。
18世紀のデカルトは惑星はエーテルに浮かんでいると思っていたし、ホイヘンスは波動としての光を運ぶ媒質だと思っていました。
つまり光についての議論が出始めてから考えだされたものといえます。光がどこでも到達するところから、エーテルは宇宙にあまねく遍在していると思われていたのです。
そして、ニュートンの万有引力で速度と空間については解明されつくしたはずだった。

ところが、有名なマクスウェルの電磁波方程式から穴が見つかってしまいます。電磁波の速度は移動している人が発しても(座標系をかえても、という言葉をわかりやすくしているつもりです)、一定であるとなるのです。

「光速不変の法則」として知られます。

電磁波方程式が間違っているのか、エーテルが存在しないのか、その議論を収束させたのが有名なマイケルソン・モーレーの実験でした。

これは、地球の垂直方向と水平方向に光を往復させて時間差を見るものです。もし、エーテルというものがあるのならば、水平方向の行きと帰りは光の速度が違うはずです。
ところがまったく差を見出せず、エーテルの存在は否定されました。

しかしこの実験が否定されているYoutubeもあります。

この「光速不変の法則」実験をふまえて、アインシュタインは特殊相対性理論を打ち立てました。
光は自分が進む方向に進もうが、反対に進もうが光の速度は一定なのです。
光速以上のものは存在しないから速度を測定する場合の情報も、光速を超えられないということなのです。

エセ科学を唱える人は頭が固いらしく、この光速度不変の原理を理解できないようです。
本などを読むといろいろと難癖をつけていますが、実験結果はありません。
光速不変から導き出される、時間が変化するという話になると、「あり得ない。実験してみろ」といい放ちます。
いえいえ、すでに物理学者は粒子を加速することで時間を延ばすことで粒子の変化を追ってみたり、飛行機や宇宙船に精密な時計を載せて時間の変化を検知しているのですけれどね。

エセ科学者は科学を勉強することはなく、自ら打ち立てたドグマを塗り固めることに夢中なようです。
そして困るのが、エーテルを制御する方法を発見しているらしいのに、なぜか体にいい、とか、怪我の回復が早いとかいう商品を開発する。なんで、もっとストレートに理論を応用した製品を作ることをしないのだろう?例えば光を曲げて光学迷彩を作るとか。。。

 

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