電磁波とは

いろんなところで電磁波の害について語られていますが、提案されている療法以前に電磁波というものがわかっているのか疑問な文章をよく見かけます。そういう知識の上での療法っていわれてもね。

最小限の時間で電磁波について軽くおさらいをしたいと思います。難しいことばを使わないようにし、段階を踏んでいるつもりですのでおつきあいください。

電気にはプラスとマイナスがあるくらいは、誰もが知っていると思います。
そして、電池のようにプラスとマイナスが決まっているものは、プラスからマイナスに電気が流れ「直流」と呼ばれます。

コンセントにあるようにプラスとマイナスが入れ替わるものを「交流」といいます。プラスとマイナスが入れ替わる回数が一秒間に50回だと、50Hz(ヘルツ)、60回だと60Hz(ヘルツ)といいます。(遠い昔、ヘルツはサイクルという言い方をしていたくらいです。)
電磁波の基本は交流です。

電気の流れは電圧と電流から成り立ちます。よく家庭の電気製品には100V 6Aなどと書いてありますね。100Vの電圧で使用している時に6Aの電流が流れるよ、と。
で、どれくらいの使用量かひとつの数字でわかるようにするために、電圧と電流を掛けます。
100V x 6A = 600W(ワット)といいます。

denji1次に思い出していただきたいことは、小学校での電磁石の勉強です。
電線に電気がとおると必ず磁界ができます。
電気が動くと磁力が必ず起きるため、電磁という言葉になるのです。

家庭に来ている交流は、プラス、マイナスが入れ替わり常に動いています。そのため交流の電線は微弱であっても電磁波を発生するのです。

蛇足ですが、なぜ家庭で交流を使っているかというと、私の知るかぎり大きくわけて3つの理由があります。
ひとつめは交流のほうが電気を運ぶ効率がいいのです。
ふたつめは直流より安全です。あまりやりたくはありませんが、家庭用電気をいじっていて感電することはありますが、死ぬことはあまりありません。これが直流の100ボルトだと間違いなく死ぬことでしょう。人体には交流のほうが安全なのです。
みっつめは小学校で、水の電気分解をやったと思います。プラスとマイナスの間では物質はイオン化したりします。もし家庭で直流をつかっていると漏電しているところなどで電気分解が始まります。これはなにがそこにあるかで結果がわからない危険性があります。
だから一般家庭の電気は交流を使わざるを得ないのです。

話を戻します。
電気が動くと電磁波が出ます。動きは以下のようになりますが、プロになるわけではないのでここで完全に理解しようとは思わないでください。
「電気の方向が変わり続けると、電場と磁場でできた電磁波が飛んでいくのだな。」で十分です。

emf株式会社サーキット・デザイン様から引用

電場と磁場の各々について考えます。

まず電場。

dchi_tani_pho_01
電場とはその場での電位です。
図を見てください。このように、1メートルの間がある金属板があり、1Vの電圧がかかっていると、1V/mの電界がある、といいます。

こんな状況があるのか、って?
例えば上空に雷がある状況だと電気がありますよね。あの状況は交流ではないですが、想像はできると思います。
注意していただきたいのは、電場は電圧しか話題にしていないことです。

次に磁場。

dchi_tani_pho_03_2 (1)
磁界の強さを示すのはテスラという単位を使います。(ガウスについては後述)
テスラという単位は大きいので通常はμT(マイクロテスラ:100万分の1)がよく使われます。1μTとは、5A(アンペア)の電流が流れている電線から1m離れた場所での磁界の大きさと定義されています。

ここで注意していただきたいことは磁場の強さは電流でしか語っていないことです。

さて、いまだにあちこちで磁力の強さをガウスと書いているところがありますが、間違いです。
ガウスは古い単位で1997年10月1日以降、商取引等での使用が禁止されています。
今どき、ガウスと書いているだけで内容をわからずに書いている証明といえるでしょう。

テスラとガウスの関係は、1テスラが10^4ガウスとなります。1μテスラは0.01(10ミリ)ガウスとなります。

そして電磁波の強さを語るならば、電気の世界のワットと同様に、電場と磁場の両方を測定することが必須であることは、もうおわかりでしょう。

electricmagnetfield
電磁波は周波数によりいろんな用途に使われています。
周波数により、性質が違うのです。

人体についていうのであれば、一般的に100kHz以下の低い周波数では人体に極微弱の電流が流れて神経あるいは筋肉を刺激するなどの刺激作用が目立ち、100kHz以上の高い周波数では体温を上昇させる熱作用が目立つと言われています。

しばしば電子レンジの害が言われますが、3GHzの周波数が—–と言うだけでは議論としては足らず、どれくらいの磁界なのかも重要だということです。

おつかれさまでした、

これで電磁波の基礎を終わります。

これをふまえると電磁場計の意味がわかります。
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ここに電磁場計があります。もちろん電場と磁場を測ることができます。

  • サイズ:113mm x 68mm x 28mm
  • 重量:135g
  • 感度:電場:1V/m 磁場 0.01μT
  • 範囲:電場: 1V/m-1999V/m  磁場:0.01μT-1999μT
  • 警告値:電場:40V/m以上、 磁場:0.4μT
  • 検知周波数範囲:5Hz-3.5MHz
  • サンプリング周期:0.4秒間隔

Tはテスラ(Tesla)の意味です。μはマイクロです。
上の知識を使うと、なんとこのスペックがすべて理解できてしまうではありませんか!

この電磁場計は中国製といえども、中華人民共和国政府の認可をえています。
測定周波数範囲が3.5Mヘルツまでで電子レンジの2.5Gヘルツには及んでいません。
ほとんどの周波数をカバーしようとすると、業務用や研究用の測定器のレベルになってしまうことと、後述しますが磁場を測定することは問題なくできます。
警告値を超えると警告灯がつきますが、あくまで目安です。

ディスプレイを見ます。

ボルト
電場モード。単位がV/mになっていますね。

テスラ
磁場モード。単位がμTになっていますね。

もう、あなたも私も理解して使えます。

さっそく、これでiMacを測ってみました。

pc_E

 

まずは電場から。
めまぐるしく変化します。
いろんな周波数の電磁波が出ているってことです。

写真だと、189V/mを示しています。
ただ、かなり近づけないとこういう反応はしません。

とはいえ、気分はよくないですね。

pc_m 次に磁場。
これは以外に弱く、警告灯はつきませんでした。

これらから予想がつくことは、iMacは高い電圧を利用しているが流れている電流はそれほどでもないってことです。

動作中の電子レンジを測ってみました。

OVEN_TESRA

電場は測定対象外なので測りませんでした。
これは磁場を計測したものです。お、1マイクロ・テスラをこえ、赤ランプついてます。
予想どおりです。
結構な電流が流れているようです。(600Wの電子レンジなんだから当たり前だろーが!)

しばしば同様の測定器で「トリフィールドメーター」を見かけますが、いかんせん設計が古すぎます。30年くらい前からありますからね。いまどき、メーターの計測器はメーターを使う理由がない限り見かけないです。この電磁場計のようにようにパシっとデジタル数字で出るのが常識でしょう。
なにより問題なのは、基礎知識でお話ししたように未だに「ガウス」という単位を使っていることです。
こんな古い装置の測定結果を、産業界でつかっているという宣伝文句を見かけますがアリエナイってことです。

次にテレビを測定してみました。

TV_E最初に電場から。
なにも出ていないですね。iMacとはえらく違います。

tv_m
これも磁場がすごいです。赤ランプついてしまいました。

 

なぜ、こういうものを扱う気になったかというと、気オーガナイザーやシューマン波発生器で生体への影響はおそらく軽減できると思います。ちょっとしたビル設備などでは100V, 200V, 415V, 6600Vの電気が、一年中、通電され続けています。居住者にとっては、携帯電話よりもこれらの影響が大きいはずです。
もちろん高圧電線の鉄塔も影響を及ぼす可能性があるでしょう。

にもかかわらず、代替医療にかかわっている人が知らないためでしょうか、高電圧、高電流の設備が発生する電磁波についてはほとんど指摘がありません。
私が街中で測定器をもって歩いていても、反応するのはビル関係が多いです。
害を指摘するなら最低限の基礎知識はもつべきではないでしょうか。
ひょっとしたら、治療院やヒーリングサロンがある部屋の真横を電線がとおっているかもしれません。
そんなところでシューマン波とかパワーストーンとか言っててもお笑いにしかなりません。

なぜか体調が悪いということが、目に見えないものを感じているためだとしたら、測れるなら測りたいものです。

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